法人保険 全額損金と1/2損金どっちがいいの?
こんにちは、カスタマーリレーション部の山根です。
日頃、ご契約いただいている多くのお客さまからいただくご質問が
「結局、全額損金と1/2損金どっちがいいの?」という内容です。
選択する上でのポイントは、「保険料の損金算入割合」です。
今回のブログでは、損金算入割合を選ぶコツをご紹介します。
・はじめに
・損金算入タイプを選ぶコツ
・おわりに
はじめに
法人加入の生命保険の損金算入割合ですが、
全額損金と1/2損金だけではないことをご存知ですか。
損金算入割合は大きく5つに分けられます。
① 全額損金タイプ
② 1/2損金タイプ(いわゆる半額損金)
③ 1/3損金タイプ
④ 1/4損金タイプ
⑤ 全額資産計上タイプ
『決算対策をしたい!!』と考えた時、
① 全額損金タイプがいいと思う方が多いのではないでしょうか。
①全額損金タイプに比べ、②1/2損金タイプや③1/3損金タイプに比べ、
②や③は、保険料のうち経費に出来る金額の2倍、3倍のお金を保険料として支払う必要があり、
キャッシュフローを悪化させる要因になりかねません。
そのため支払い保険料=損金算入額の①全額損金タイプは
シンプルで決算対策などの際、活用しやすいと言えます。
しかし注意すべき点があります。
それは、損金算入割合によって、解約時に戻ってくる率(以下、解約返戻率)が異なるという点です。
一般的にピーク時の解約返戻率は
⑤ 全額資産計上タイプ>④ 1/4損金タイプ>③ 1/3損金タイプ
>② 1/2損金タイプ>① 全額損金タイプ
の順に高いと言われています。
すなわち決算対策で活用しやすい①全額損金タイプは
⑤全額資産計上タイプより解約返戻率が低い傾向があります。
(例)60歳男性で年間の損金算入額1,000万円で6年後に解約返戻金を受け取った場合
(法人税等34%とする)
損金算入タイプを選ぶコツ
では、「自分の会社には、どの損金タイプが最適なのか」。
選ぶポイントは簡単です。
ポイント① ご加入時:キャッシュが潤沢にあるか
ポイント② 解約時 :使い道(出口)が決まっているか
ポイント① ご加入時:キャッシュが潤沢にあるか
生命保険を活用する上で注意するポイントは
継続的な保険料の支払いが必要ということです。
全額損金の場合は「支払い保険料合計」、
資産計上割合があるものは
「支払い保険料と保険料の資産計上額分にかかる法人税の合計」を何年払えるか
を念頭に置いた上での検討が有効です。
そのため、キャッシュアウトを抑えたい場合は全額損金タイプ、
キャッシュが潤沢な場合、資産計上割合があるタイプがオススメです。
ポイント② 解約時 :使い道(出口)が決まっているか
解約返戻率のピーク時に解約した場合
解約返戻金と資産計上の差額を雑収入として
計上する必要があります。
特に①全額損金タイプは解約返戻金の全額が雑収入になるため、
それに見合った出口の対策が必要です。
(例)60歳男性で年間保険料1,000万円 6年後に解約返戻金を受け取った場合
(法人税等34%とする)
おわりに
法人で活用する生命保険は、同じ損金割合でも保障内容が多岐にわたっており、
解約返戻率のピークは保険会社の各プランによって異なります。
そのため、解約返戻率のピーク時期を組み合わせたり、
保険機能の活用等、選択肢を多く持っておくことは重要なポイントです。
また、経営者に万一のことがあった場合、会社が受ける打撃は図りしれません。
将来の不測の事態に備え、経営状態に合わせた保障の確保を
行っておく必要があります。
弊社では、単なる解約返戻率の比較だけではない、保障内容のバランスや
将来の資金繰り・受け取り方を踏まえたご提案を行っています。
最適な対策をお探しの方はいつでもお気軽にお問い合わせ下さい。
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